2014年04月18日

“100叩き男”が大会にかけた想い「父としての背中を」

男子ツアー国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」で思わぬ珍事が起こった。今大会に主催者推薦で出場した大津将史がアウト53・イン48の“101”を叩いたのだ。

 これまでの国内男子ツアーにおける1ラウンドでの最多スコア記録は1987年に鈴木規夫が記録した“122”。しかしこれはスコアカード記入欄の9番ホールに誤ってハーフの合計スコア“42”を記載したミスによって生じたものであるため、この日大津が記録した“101”は事実上の歴代ワースト記録だと言える。

 おそらく、なぜこのような選手がレギュラーツアーのトーナメントに出場したのか疑問に思う人もいるだろう。そこでここから大津の略歴を紹介したいと思う。

 今年で42歳になる大津。同世代には片山晋呉や宮本勝昌といったツアーの第一線で戦う選手がいる。美濃加茂高校在学時に残した成績は片山、宮本らと比ぶべくもないが、彼らと同じく「日本ジュニア選手権」に出場した経験も持っている。

 「本当はゴルフをしたかったけど…」高校時代に「日本ジュニア」に出場するような選手は大学に進学して学生ゴルフを継続するのが一般的だったが、大津が選んだ道は“起業”。最初は自身の生活のため、途中からは授かった3人の娘のため。大津はゴルフという道を一時捨てて、家族のために仕事に打ち込んできた。

 そんな大津にとって1つの転機となったのは、日本ゴルフツアー機構による国内男子ツアーの予選会“QT”が実施されるようになったことだ。これまで大津は3度QTを受験し、ツアーの出場権を得ることはできなかったが、ファーストQTを突破することでプロ転向を果たした。

 そして40歳まで仕事に打ち込み続けた大津は振り返る。家族のために働いてきたが、果たして娘たちに自分の姿はどのように映ったのか。そして思い至る。「父として娘に背中を見せたい」(激安ミズノ JPX825)

 今大会には知人の紹介で知り合った菅原文太氏の推薦もあって出場が実現。大津にとっては人生初のプロツアーの舞台。ツアーのコースセッティングの厳しさ、そして選手たちのレベルの高さを知る大津は最初、出場に対して二の足を踏んでいたが、菅原氏の「子供のために出ろ」という言葉に背中を押されて出場を決意。昼夜を問わず練習を重ねて、ツアーデビューの時に備えてきた。

 そして今日、結果としては不名誉な記録を作ってしまった大津だが、ラウンド後には「悔いはないです」と1日を振り返った。傍から見れば格好悪い姿だったかもしれないが、最後まで懸命にプレーする姿を家族に見せることができたからだ。一見すると奇抜に映る全身ピンクウェアの男の背後には家族を想い、戦い続けた男の生き様があった。(XXIO8フェアウェイウッド最安値)  


Posted by 中里 at 12:16Comments(0)